クリエイティブな交渉

公開されました: 3 07 , 2016
投稿者: アラン・スミス

あなたはどんなときに一番クリエイティブになれるだろうか?

交渉スキルトレーニングのコースを教えている際に、私はよくこの問いを口にする。

よくある反応は次のようなものだ。「なぜ?」(人は、質問の意図がわからないと、答えることに消極的になる)。もうひとつは「極端なプレッシャーがかかっている時」というものだ。

この2つについて、各々考えてみることにする。 

まずは「なぜ?」について。交渉を、対立不一致を解決するための手法と考え(実際のところその通りなのだが)、また価値を分かち合う方法と考えてみることにする(これもまた然り)。その場合、対立不一致の存在する二者間で価値をどのように分け合うかを論議するよりも、まずは価値をどのように作り出せるかを考えたほうが有用だ。交渉を単純な値切り行為とみなし、今現在目の前にある価値をどのように分けるのかという論議をするのなら、やりとりはその場限りの、殺伐としたものになる。実際我々は単なる値切り行為によって対立不一致を解消することは多いものの、長期にわたる、良い関係を維持してゆけることは稀だ。 

価値を創りだすために、いま眼の前で起こっていることを超えて、双方にとって異なる意味のある価値を作る出す方法を見つけなくてはならない。我々の次の動きに起因するコストのみならず、相手が我々の次の動きにどのように価値を見出すかを考え、正しい方向に動いてゆく。クリエイティビティは「あれば良いもの」ではなく、ビジネスにとってクリティカルなものだ。

もうひとつの返答である「極端なプレッシャーがかかっている時」について。私は本当にそうなのか、正直なところ信じることができない。もちろんそれほど確信があるわけでもない。極端なプレッシャーの下で能力を発揮する人のことを、数は少ないものの挙げることができる。例えばF1ドライバーのアイルトン・セナは、スピードが高まるにつれて心拍数が減少した。だがセナは世界チャンピオンであり、極端過ぎる例だろう。

普通の人は、プレッシャーのもとでは視野が狭くなる。クリエイティブに考えるには、これでは良くない。

70年台に、アイソレーション・タンクが流行したことがあった。

アイソレーション・タンクとは、暗く、防音が施されたタンクで、中に入った人は温水に浮かんで支えられる。アイソレーション・タンクは数十年にわたりニューエイジやヒッピーたちのニッチな興味を惹きつけてきたが、このところ英国でアイソレーション・タンクを使う人の数が増えている。

研究によると、温水の中に浮かぶこと(感覚遮断療法と呼ばれる)はストレスやPTSDなど不安に関連する症状に効果があるという。スウェーデンでは開業医や企業が患者をアイソレーション・タンク治療施設に紹介しており、人口あたりのフローティング・タンクは世界で最も多い。

また、ムービーメーカーからタトゥーアーティストまで、ありとあらゆるクリエイティブな仕事をしている人が利用してる。

というわけで、このつぎに難しい交渉に向き合うときは、フローティング・タンクを探してみてはどうだろうか。

あるいは、静かな散歩に行くのも良いかもしれない。

原文:  The Creative Negotiator. A Scotwork Perspective


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