シンプルな説明

公開されました: 5 02 , 2016
投稿者: スティーブン・ホワイト

今病院のベッドの脇に座ってこれを書いている。親戚の高齢の女性が先週転んでしまい、足を骨折した。今日は火曜日、今週予定されている研修医のストライキの初日だ。素人目に病棟は普段と変わらないように見える。医師の数も変わらない。一つだけ普段と違うのは、3〜4名からなる専門医のグループが常に病棟を歩きまわっていること。たぶん安全確保のためだろう。病院の入り口がストで封鎖されているわけでもなく、普段と同じように病院に入ることが出来た。いつもと同じく、駐車スペースを見つけるのは大変だった。外来の大部分は普段と変わらずに機能している。

病棟における看護の水準は高く、素人目には、病棟の適正水準よりも多くのスタッフが配置されているようだ。私は先週木曜日から毎日病院に来ているが、今週も、先週末も、別段に何の違いも無い。土日はロビーは(駐車場も!)静かだったが、それは外来患者が少なかったからだろう。入院患者の眼から見れば、この7日間、イギリスの医療サービスは十分に機能している。

ストライキを敢行している研修医と、政府、双方の陣営が繰り出すレトリックを聞くと、EU国民投票で賛成派と反対派が駆使する論調を思い出す。言語は流暢、将来の約束やビジョン、脅威や疑念を派手に膨らませているが、その論拠となる「事実」は、客観的に見ればたいして確かなものでもない。我々は自分が見聞きしたことに基づいて意見を形作る。これは太古の昔から変わらない。膨らませた論調や歪んだ事実は、何の助けにもならない。

研修医と政府の論争が満足すべき決着に至るのは、当事者同士の合意内容を、医療サービスにお金を払っている人たち、すなわちイングランドの住民が認めた時だ(ストライキはイングランド以外の英連邦には影響しない)。つまり、紛争の当事者が大衆の気持ちを掴むことは重要だ。ところが、この紛争は世論からは懐疑の眼を向けられ、嘘と誇張に人々はうんざりし始めている。双方の行動を見れば非生産的であることこそが戦術目標なのではないかとさえ思えてくる。BMA(ストライキを主導する医師の労働組合)側の医師は、ストライキは医療サービスの水準を守るためのものだと主張する。政府は、このストライキは、本当のところ週末に施設の改修工事を行うためだと言っている。もちろん、どちらにもそれなりの真実はあるのだろう。だが、誰もが、研修医も政府も自分たちを欺いていると認識している。そして、ひょっとすると、当事者自身をも欺こうとしているのではないか。この論争は、究極的にはお金に関するものなのだから。なぜそう言えるかって?なぜなら、政府が、土曜日の診療のために予算を積めば、この紛争は決着するのだから。BMAがはっきりとそう言っている。 

公共部門の交渉者はPRによって世論に影響を及ぼしてゆく。大衆はPRが増えるにつれて「半分だけの真実」を見抜くようになる。この点は心に置くべきだ。主人公がわかりやすく説明すれば、そちらの陣営に肩入れするようになる。結果として世論に多数派が形成され支持は盛り上がりを見せてゆくだろう。現在のような賛否両論ではなく。そうすれば、より良い決着に向けて、より早く交渉を進めることが出来るだろう。

原文: Plain Speaking


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