ウィルス

公開されました: 6 20 , 2016
投稿者: セバスチャン・バツェビチ

無礼な振る舞いは自分の望みを叶えるベストな方法ではない。誰もが知っている話だ。それどころか、目的を叶えるという観点からは大概の場合ひどい結果に結びつく。無礼に振る舞えば相手も自分に無礼に振る舞う。無礼に振る舞ったところで相手が自分の望むものを差し出してくる可能性など無いに等しい。無礼な振る舞いは相手と自分の間を悪循環し、交渉の結果はひどいものとなる。あるいは、そもそも交渉など出来なくなってしまう。

フロリダ大学が行った 最近の研究によると、無礼な行動は人々の間をさざ波のように伝わってゆくという。無礼な行動を体験した人は他者にも同じように振る舞うようになり、無礼な行動は輪のように広がってゆく。言い換えれば無礼な行動はウイルスが繁殖するように広がってゆく。

この研究では、被験者の学生は交渉課題に取り組み、続いて「現金を分ける」ゲームをおこなう。被験者は現金をフェアに分け合うことも、自分を利するように分けることも、あるいは相手の裏をかいてく(相手にびた一文渡さないで)分けることも出来る。被験者はこれを他の10人に対して繰り返す。研究者たちは、最初の回で被験者Aが被験者Bに無礼であった場合、被験者Bは続く回でお金の分け方について相手のウラをかく行動が増える傾向に気がついた(驚くべきことでも無いだろう)。興味深いのはそれに続く行動だ。被験者Bが同じことを被験者Cに対して行った際には、被験者Cは被験者Bの無礼な行動に触発されて、お金を分けるゲームでは相手にびた一文渡さないよう裏をかく行動が増える。こうして無礼な行動が生み出す作用はグループ全体に伝わってゆく。

無礼な行動がウィルスのように悪影響を及ぼしていゆく理由は次のようなものだ。無礼な行動を体験するとそれは心に留まり、他者の行動をどのように解釈するかという判断に影響をおよぼす。結果として、他者に対する行動も影響を受け変化してしまう。

この「ウイルス効果」は、ある行動が良し悪しどちらにも解釈できるような状況では際立って作用する。無礼な行為を経験した(あるいは単に目撃した)人は、その後、あいまいな行動を、冷静に立ち止まって考えてみるより前に、無礼な行動と解釈することが多くなる。

というわけで、交渉においては、無礼な行動はベストな取引を実現するす目的に対して非生産的であるのみならず、自分たちのチームに悪影響を及ぼす可能性を心に留めておかなくてはならない。誰かが自分の無礼な行動を組織の中に広げてゆくかもしれない。あなたが無礼な行動を受けた側にいるなら、その事実が自身の他者に対する行動にどのような影響をおよぼすか、注意しなくては。

ソフトに事に当たれ、と言っているのではない。タフであることは結構。ただし、自分を扱うのと同じように他者を扱うべきだ。自分と同じように、と考えれば、大きな間違いはしないだろう。

 

原文: Like a Virus


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