ハイビーム

公開されました: 2 01 , 2016
投稿者: アラン・スミス

私の娘は運転初心者であり、クルマの運転には少しナーバスな面がある。

親にとって、子供が成長してゆくことにはいくつもの利点がある。例えば土曜日に子供のタクシードライバーとして駆り出されることは少なくなる。金曜日の夜にパブで何杯かをキメた後、子供に迎えに来てもらうことも出来る。

子供にパブに迎えに来てもらったある晩のこと、私は娘がハイビームを使いたがらないことに気がついて驚いた。漆黒の闇の中、ロービームのままで運転している。

街中や郊外に住んでいるなら、ハイビームかロービームかは大きな問題では無いだろう。周囲は明るく、運転には十分な明るさが確保されているのだから。だが私の家族は街からは離れた田舎町に住んでいる。鹿との衝突事故は今年は300%も増加した。 

私は娘にハイビームを使わない理由を聞いてみた。「自分の目の前にあるものに集中したいから、遠くのものに煩わされたくないの、お父さんは運転について何を知っているっていうの?」が答えだった。

礼儀知らずの若者め。

これを聞いて考えたことがあった。今朝、英国の慈善団体が寄付を募る際の問題点についてのニュースを耳にした。目的と手段が整合しているかどうか見直す必要があるという。

英国の慈善団体が募金を募る活動は、第三者の監督機関を設立して環境整備を行わないかぎり、最終的には法律による縛りをかける必要が出てくるかもしれない。国会の諮問委員会はこのように警告した。

慈善団体が素晴らしい仕事をしていること、また、常に不足がちの資金集めに常に奔走していることには誰も異論が無いだろう。だが一線を超えてやりすぎている慈善団体も多く、寄付を行うまでしつこく人々を追い掛け回している。

最近、92歳の女性であるオリーブ・クックが、毎月200通以上の慈善団体への寄付を求める手紙を受け取り続けた挙句に、自ら命を断った。

彼女の家族によると、寄付を募る手紙はオリーブ・クックの死の原因ではないという。だがこの事件は、不謹慎な資金調達活動が弱者にどのようなプレッシャーを与えているのかを浮かび上がらせた。

必要調達額の目標を達成するやり方について、名の通った慈善団体や資金調達担当者の中にも批判を受けているものがいる。

長い目で見れば、このような問題行動は、慈善活動に寄付しようという人々の気持ちを鈍らせてゆく。慈善団体の評判も落ちてゆくことだろう。

人は誰でも目先で達成しなくてはならない目標を持っている。目の前のことだけを見て行動すれば、長期的には、目の前を照らしている光だけで捉えられない問題にぶつかるかもしれない。

ハイビームで運転しても、短期的に我々が成すべきことを完全に押しとどめてしまうことは無いだろうが、行動を少しだけ和らげる可能性がある。

 

原文: Driving with Dipped Headlights


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