キャメロン首相の中古車

公開されました: 6 06 , 2016
投稿者: サム・マクベス

先週以下の見出しがSunの紙面を飾った「キャメロン首相、ついに交渉で結果を出す - サマンサ夫人のために中古の日産マイクラを購入」(訳注:マイクラは日本ではマーチ)首相は仕事では20万ドルのジャガーを使っているが、このマイクラをオックスフォードシャー州ウィットニーの選挙区にある中古車ディーラーで購入し、自分で運転して家に帰った。

Sunの記事は、キャメロン氏が首相としておこなった交渉について、暗にネガティブなトーンで批判している。だが、実のところ物事はそれほど単純ではないという点に留意すべきだろう。

中古車の価格見積りサイトでざっと調べてみたところ、2004年型の走行距離93000マイルのマイクラを1500ポンドで購入できたのは、良い買い物に思える。価格は重要だが(キャメロン首相にとっては大した金額ではないだろう)、例えばボディの状態が悪かったら、このクルマを買ったことについて見方が違ったかもしれない。仮に、サマンサ・キャメロン夫人がブルーのマイクラしか欲しくないというのなら、また、地元の選挙民のためにブルーのマイクラが今日必要だと言うのなら、ボディの状態の良し悪しは問題ではなくなるだろうし、また、このクルマを購入したことは良かった、ということになる。

あるいは、仮にクルマが英国製でなくてはならない、という条件が課せらるならば、ディーラーからディスカウントを得ることは難しくなるだろう。あるいはまた、ディーラーがこの売買について新聞記者に話すをすることを許されているなら、買い手にとって有利な条件がで出やすくなるはずだ。

申し上げたいことは次のような点だ。交渉には実に様々な変数が関与する。(自分と相手にとって)何が必要なのかを深く理解すれば、良い取り引きを実現し、価値を作り出すことが出来る。真の意味での「良い取引」がどんなものか、これまで明かしていなかった情報を開示すれば人々の見方を変えることもある。そして同時に、交渉において使われた変数の重要性は、長期的にも短期的にも、相対的なものであることを覚えておこう。今日安い値段でクルマを購入できたかもしれない。だが、もし明日そのクルマで事故を起こせば、身の安全という点からも、また個人の評価や評判という点からも、そのクルマは凶器になりうる。


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