メールでの交渉

公開されました: 9 17 , 2015
投稿者: サイモン・レッチフォード

 1978年、米国大​​統領ジミー・カーターは、2000年間にわたって確執を続けてきたエジプトとイスラエルの和平合意の仲介をおこなった。その時に電子メールが広く普及していたら、キャンプ・デービッドでの13日間はもっと短くなっていだろうか?

「電子メールで交渉すべきでしょうか?」と聞かれることが多い。「そうすべきではない」という答えを期待しているようだ。私の答えはいつも同じだ。絶対にそうすべきです、時と場合によっては。"送信"ボタンを押す前に、いくつか考えておくべき点がある。

直接対面してのミーティングは、会話のニュアンスを伝えるには言うまでもなくベストな手段だ。パワーバランスやシグナル(どこに柔軟性があるのか)、パッケージ上の課題をさぐる際には、ボディランゲージや声のトーンが重要な役割を果たす。「場を共有する」ことによって、あなたは、自分の提案を相手がどのように反応するかを見極め、フォローアップの質問を行ったり、相手の本気度や温度感といったものを計ることができる。

重要な商談なら、シグナル(「約8%ほど値段を下げてください」)を拾いそこなうコストと、旅費交通費や時間のコストを慎重に比較する。商談が大きなものなら、微妙なシグナルに基いて、1%の条件改善や新たな変数を導入できれば、また取引の再パッケージがおこなえれば、航空券の費用を補って余りある。

その一方で、今日の忙しい仕事の日々の中、すべての交渉を直接に対面しておこなうことは非現実的だ。電話(およびビデオ会議)はミーティングには好適なツールだ。もしあなたがチームで交渉しているなら、電話での交渉の利点はの一つは(フライトのキャンセルは無いし不味い機内食を口にしなくて済むことに加えて)、同僚と電話会議中にインスタントメッセージを交換することが出来るという点だ。評論家ではなくアドバイザー役に徹することができるならば、という条件がつくものの、シグナルを見つけた場合や戦略を助言する際に、インスタントメッセージはとても役に立つ。 

電話やビデオ会議の主な欠点は、信頼関係を築けないという点にある。信頼や個人間の繋がりは困難な交渉には非常に大きな役割を果たす。やかましい着メロや、"Sir Mix-a-Lot"の呼び出し音はいったん脇に追いやり、ミーティングの最初で固い握手をかわして個人間の繋がりを築くことは賢いやり方だ。

人はコーヒーを飲みながら一緒に座っている時よりも、遠隔地とコミュニケーションをしている時のほうが、情報開示には消極的になるものだ。私の経験では、相手と築いている関係が貧弱であればあるほど、この閉鎖的な姿勢がよりクローズアップされてくる。重要な関係を築くためには(あるいは修復するためには)直接のミーティングを行ったほうが良い。

電子メールは、この部分では大幅に劣っている。特にニュアンスは全く失われてしまう。電子メールを使うなと言っているわけではない。手軽で、信頼でき、今日ではビジネスにおけるコミュニケーションの90%は電子メールだ。ドキュメントになった提案書を送付するには完璧な方法だ。しかしながら、初期の信頼関係を築くことは出来ず、ニーズや優先順位を探索することも出来ない。さらには、あなたの提案に対する相手の応答を知ることも出来ない。これらのためには、直接会ってのコミュニケーションとフォローアップ質問を欠かすことができない。相手に、あなたから掛かってくる電話に出る理由を与えるように注意する(この件については、いつか別の機会に書くことにする)。

どのような方法で相手にコミュニケーションを取るのか、選択につは常にトレードオフが付きまとう。もし不確かに感じたら「ジミー・カーターならどうするか」と自問してみると良いだろう。

原文:  To Type, or Not to Type… The Pitfalls of Negotiating by Email


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