ビッグビジネスを蹴り飛ばす

公開されました: 10 29 , 2015
投稿者: スティーブン・ホワイト

 現体制を攻撃することは急進派が衆目を集める手段だ。英国では労働党党首ジェレミー・コービンが、スコットランドではSNPスコットランド国民党党首ニコラ・スタージョンが、フランスでは極右国民戦線の党首マリーヌ・ルペンが、ギリシャでは急進左派連合党首にして首相であるアレクシス・ツィプラスが、そして米国では共和党の大統領候補ベン・カーソンが、伝統的な支配階級を打破してくれるという幻想のもとで支持を得てきた。

ジャーナリストも大企業を攻撃することで耳目を集める。スターバックスの租税回避、フォルクスワーゲンが消費者を欺いたこと、テスコがサプライヤーを手籠めにして不利な取引条件に追い込んでゆくこと、FIFAの数多の腐敗(そう、FIFAはまずなによりも、大企業だ!)などが例だ。

これらの攻撃が大衆の耳目を集めるのは共感できるから。業界規模でパワーを悪用する悪しき行為は攻撃されて当然だし、大衆は詳細を知りたいと熱望する。

我々は新聞記事で大スキャンダルの記事を目にする。交渉当事者間でパワーバランスが大きく異る状況であれば、これらのスキャンダルと同じことを日々の交渉で出くわすことは枚挙に暇がない。たとえば数週間前、フランスのメディア媒体社はフォルクスワーゲンの不正ソフトウェアに関する記事を掲載したら広告出稿を取りやめると通告された。

近年当社が知ることとなった出来事は驚愕すべきものだ。当社は、とあるオンラインのファッション小売企業がクライアントだ。中堅規模の企業であり世界中で流通のチャネルとしてアマゾンを利用している。この会社のビジネスは「XXXXが販売、アマゾンから出荷」という形になっている。アマゾンは配送センターにこの会社の製品を在庫している。最近のこと、この会社はアマゾンからメールを受け取った。在庫製品が電子機器の安全基準を満たしていない疑いがあるため、配送を凍結した、という。なるほど、しかしながら、この会社は電子機器を販売していない。彼らはこの事実をアマゾンに礼儀正しく指摘した。返事は「この警告の目的は、アマゾンが現在テストしている新しい出荷方法に注意を払って欲しかったから」というものだった。少し前、アマゾンはその会社に新しい出荷方法を提案してきた。会社はその方法には興味を惹かれなかったので無視した。だからアマゾンは相手を脅して注意を引き付ける戦術に出てきたわけだ。当社のクライアントは対抗するリソースも救済策もなかった。不平を言う機会も、交渉も、その行動が倫理にかなったものかという論議もなく、さりとてアマゾンとの関係を一方的に断つわけにもゆかなかった。その会社にとって、アマゾンが担っていた配送チャネルは重要すぎた。彼らは何か対抗策をとるには完全に無力だった。新しい提案を受け入れて「ありがとう」という以外になかった。

無力。だが世間の注目を集めるのは別だ。当社のこのブログがなぜ衆目を集めているのか、その理由はここにある。 

 

原文:  Kicking the Sh*t out of Big Business


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