譲歩の価値は?

公開されました: 11 30 , 2015
投稿者: アラン・スミス

今回のブログ記事では、短いけれど重要な教訓をお届けしよう。

親友の娘は新しい冷蔵庫を買うことにした。アメリカンスタイルのばかでかい冷蔵庫で、製氷機やちかちか光るライト、ミラーボールまでついているようなシロモノだ。この表現はちょっと誇張が過ぎるかもしれないが、言いたいことは分かっていただけるだろう(実のところ、さほどの誇張でもないと思っている)。

彼女が困ったのは、古い冷蔵庫をどうするか、だった。

古い冷蔵庫に不具合は何もない。だが、今日あらゆるモノがそうであるように、古くなり時代遅れの冷蔵庫は廃棄されなくてはならない。

彼女は新しい冷蔵庫を買ったお店に古い冷蔵庫を引き取ってもらうよう頼んだが拒まれた。新しい冷蔵庫の支払いを済ませてから古い冷蔵庫を引き取って欲しいと頼んだのであり、古い冷蔵庫の引き取りを売買条件の一部ではなかった。この点は、機会を改めて論じることにしよう。

そこで彼女は地元の自治体に電話をかけた。自治体の担当者は「冷蔵庫を廃棄することはできますが、次のごみ収集に備えて庭の前に冷蔵庫を出しておいてください」と言った。

彼女は喜んでそうした。

2週間後、冷蔵庫はまだ回収されず、自宅の庭と緑豊かな郊外道路の間に鎮座して残念な姿を晒していた。彼女は「近所の人はどう思うだろう」と次第に不安を覚え始めていた。

自治体にもう一度電話をしてみる。担当者は前回と同じく「回収します」と言った。そして、前回と同じく回収はやってこなかった。

3週間後、彼女は、私の親友でもある父親に電話をかけた。親友は慎重に考え、自分が解決に乗り出すことに決めた。彼はちょっとしたトリックを考えついた。

「売ります、最低30ポンドより」と書いた紙を用意し、悲しい姿の冷蔵庫に貼り付けるように指示した。彼女が指示されたとおりにすると、いやはや、驚いたことに、次の日には冷蔵庫は消えていた(ただし、お金はどこにも無かった)。

この話は交渉者には貴重な教訓を含んでいる。取引の中で本来の価値が消えてしまうのはなぜか、活き活きと描き出しているからだ。我々は往時して、相手にとっての価値を深く考えることなく譲歩する。単に譲歩することがいちばん簡単だからだ。自分がある譲歩の相手にとっての価値を見ていないなら、相手もまたその譲歩の価値を理解しないだろう。これは驚くべきことでも何でもない。

交渉のクリエイティブな部分は、譲歩のコストと、その譲歩が相手にもたらす価値との差異から生まれる。差異を見つけ、認識し、利用せよ。

原文: Just Because You Don't Want It!


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