リスクの意義

公開されました: 9 03 , 2015
投稿者: スティーブン・ホワイト アラン・スミス

人はなぜガス欠になるリスクを取るのだろうか。

ドライバーは以前よりもガス欠のリスクを取るようになった。昨年ガス欠を体験したモータリストは80万人。 とあるリサーチによると路上でガソリンやディーゼル燃料を全て燃やし尽くした人の数は2011年から50%も増えた。燃料警告灯がついたとき、無視したりエコランの腕試しをして失敗した人の数は827,000人に登った。

我々は、これまでよりもリスクを許容するようになったのだろうか?あるいは、愚かになった?あるいは、ガソリンの価格を気にするようになった?

手短に答えれば、この3つは全てYesだろう。

レポートによると、およそ100万人ものモータリストが燃料警告灯を無視したり、そもそも気がつかないという。200万人が常に燃料警告灯をつけたままで運転しているという。

LV=のレポートによると、ガソリン残量を過大評価してしまうドライバーの数は驚くほど多い。四分の一(24%)のドライバーは警告灯が点いたまま40マイル以上運転できると信じている。実際のところ、英国で売られている主な車種の半分は、いちど燃料警告灯が点灯すれば、そんな距離は走れない。

燃料は家計のかなりの部分を占めるので、値段の高いガソリンスタンドをやり過ごす「賭け」に出がちという。この傾向は高速道路で顕著となる、先に価格の安いガソリンスタンドが見つかるという期待のもと、高速道路上のガソリンスタンドをやり過ごしてしまう。

ガス欠になるかどうかは、リスクにどのような姿勢で臨むか、また、リスクを取ることで期待できる報酬の多寡に依拠している。値段の差という報酬が得られるのであれば、人はより多くのリスクを取りがちだ。高速道路では、値段の差の報酬はより顕になる。結果としてガス欠に追い込まれることが多くなる。 

サプライヤーを変更したり、場所を動かしたり、供給が絶たれるリスクは、意思決定の際には大きなファクターになる。差異をもたらす選択肢が目の前に現れたとしても、それが自分にとって重要なものでなければ、変化を取りにゆくには不十分だ。だが、リスクに対する報酬が高いとしたら?

シリア難民が、自身や子供たちの、より良い人生を求めて巨大なリスクをとっていることを考えてみよう。難民がヨーロッパに到着するまでの距離や不確実性、困難などに比べれば、ガス欠のリスクなど、ゼロに等しいといえるだろう。

ヨーロッパ諸国の首脳陣は、難民は納税者にとっての重荷に過ぎない、などと考えず、難民を受け入れることはむしろ利点があると考えてくれると良いのだが。法的に見ても、道徳的に見ても、我々は難民を支援する義務がある。難民の地位に関する条約は、国家が難民への支援をおこなうことを求めている、また歴史の先例もそのようにしてきた。ヨーロッパの人々は、他の地域がヨーロッパ人を受け入れてきたことで多大な利益を手にしてきた。第二次世界大戦後にアメリカやオーストラリアに移ったヨーロッパ人の数を考えてみてほしい。今度はヨーロッパが国境を開くべき時なのかもしれない。

電気自動車のオーナーにとって「走行距離」は最大の懸念事項だ。バッテリーが完全放電してしまうリスクが及ぼす心理的な効果は、ガス欠とは全く異なる。ガソリンで走るクルマと異なり「電欠」は本当に困った状況を引き起こす。ロードサービスを呼び、場合によってはかなり遠くの充電ステーションまで牽引してもらい、車載コンピューターがクルマを再起動するのを待つ。それから充電が終わるまで数時間。電気自動車のオーナー掲示板は、遠出の際にどれくらい電池容量を残しておくべきかについての論議が盛んであり、ドライバーは昨今ますますリスクを避けるようになっているようだ(「目的地についてから最低でも50マイル走れるだけの電池を残すようにしている」という意見が一般的)。

教訓は次のようなものだろう。失敗のコストが純粋に高ければ、人はリスクを避ける。逆に、失敗のコストは高いにもかかわらず(ボートの中で命を落とすというような)、それでもリスクを取る(国を脱出すると決める)ということであれば、膠着状態に留まる(シリアに住み続ける)リスクは非常に高い、ということだ。

シリア脱出という巨大なリスクには報いなくてはならない。昨夜のBBCで、とある父親が「我々は人間ではないのか?」と訴えかけていた姿が目を離れない。 

原文: Is Risk the Best Policy?


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