去るか、留まるか

公開されました: 6 25 , 2015
投稿者: ロビン・コープランド

去るか、留まるか - まさに交渉だ。

総選挙で保守党が与党の座に留まることになり、英国は国民投票をおこなう。今回の総選挙は英国がEUに留まるかどうかについて。余談だが、我々スコットランドの住民は、この「国民投票とやら」に少々うんざりし始めている。国民投票は私がかつて愛用したグラスゴーのバスルート59に似ている。40数年間一度もやってこなかった。来れば2回連続だ。まぁこれは誰の責任というわけでもないし、だから責めるのも筋違いだろう。民主的なプロセスの一部、とかいうやつだ。

だが、少しばかり気になることもある。"交渉"と"デビット・キャメロン"、そして”EU国民投票"という言葉が同列に並んでいる点だ。保守党の首相にして英国の有権者からの信任を新たにしたキャメロン氏は、ヨーロッパを訪れ、英国の権限回復に関する条件の交渉に臨む。それが終わった後、英国がEUに留まるか、留まらないのか、国民が意思表示をする機会がやってくる。交渉の合意がどのようなものであろうとも。

デビッド・キャメロンは図抜けた知性の持ち主だ(オックスフォード大学ブレイズノーズ校から、哲学、政治、経済で第一級優等学位を得ている)。あなたは彼と意見を異にするかもしれないか、彼は優れた論客であり、頭の回転が早く、老獪であり、信念を持っている。

だが、彼は交渉者として、同じように第一級といえるだろうか?過去の経歴を見るに、彼は政治の世界の外、ビジネス経験のある数少ない政治家の一人だ。1994年7月から2001年2月まで、彼はカールトン・コミュニケーションズのコーポレート・アフェアーズ担当ディレクターだった。つまり、社内においては各部署と、社外に対してはクライアントと、かなり厳しい交渉を経験したことだろう。カールトン・コミュニケーションズはメディア企業であり、交渉が厳しいことで知られている業界だ。キャメロン氏が在職していた当時、クライアントはサプライヤーとの交渉を巧妙に進めるようになっていた。メディア企業を「手を伸ばせば楽に取れる果実」と見ており、カールトン社の数多の競合は、消えてしまったり、利益を骨まで削られていた。

英国民は、キャメロン首相が何かを勝ち取り、何かを失い、結果として少しばかりの打率を稼いでくれることを望んでいる。ヨーロッパ諸国の彼の同僚たちはキャメロン首相の仕事を簡単には進めさせてはくれないだろう。キャメロン首相が英国の有権者のもとに、成果と言えるものを持って帰らせる心積りはあるだろう。問題は、キャメロン首相から見返りにどのような譲歩を引き出すかだ。その詳細は、誰も知ることは無いだろう。

キャメロン首相は十分な準備をおこなって交渉に臨む必要がある。たとえば... 

  • 望ましい最終的な決着点に向けてはっきりと焦点を絞る
  • 最初の提案がブロックされた時のための、長いウィッシュリスト
  • 譲歩することが出来る変数について、同じく長いリスト。自分が本当に必要な物を手にするために、缶の蓋をこじあけて中を探しまわるよりも譲歩を交換したほうが簡単な場合も多い

キャメロン首相が真に必要としているのは交渉戦術の専門家だろう。そして、この点こそが彼の課題だ。官僚は国民に仕えることの専門家だが、交渉を通して国民に仕えているわけではない。外部の専門家を使ったほうが良い。彼には、交渉の世界の知恵や常識が必要だ。外交団ではなく、本当の交渉経験が!

もし必要ならば、スコットワークのフィーは高くないですよ。

 

原文: In or Out


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