同一職種でありながら男女間に賃金差があるというニュースは目新しいものではないが、最近のとある研究結果は興味深いものだった。女性が雇用者側にいる場合、男性は女性の上司にはより大きな脅威を感じ、賃金交渉で極端なポジションをとりがちなのだという。
米国のとある大学における研究で、男女の学生が、コンピューター上のシュミレーションで、男性と女性の採用担当マネージャーを相手に給与について交渉するという課題があてがわれた。その課題をこなした後、被験者はコンピューター上に一瞬だけ表示される単語が何か、推測するよう求められる。「恐怖」や「リスク」などの単語を選んだ被験者は、より多くの脅威を感じていることが分かる。
女性の雇用担当マネージャーと交渉した男性は、より大きな脅威下にあると思われる単語を推測した。さらに、男性被験者が男性の採用担当マネージャーと交渉した場合、求めた給与の平均は42,870ドルだったのに対して、相手が女性の採用担当マネージャーになると、給与の平均は49,400ドルになった。
女性被験者は、平均41,346ドルと全体的に男性被験者よりも低い給与を求めた。交渉相手の雇用担当マネージャーが男性だろうと女性だろうと、この金額は変わらなかった。
研究で示されている論点について、様々な論議があることだろう。私が最も興味深く感じるのは、被験者がが応答にどれくらいの時間をかけたか、だ。
おそらく、応答は即答に近かったのではないか。現実社会の交渉では、この実験のような環境は創造性を潰し、感情的な反応だけを引き起こす。交渉の重大な局面において、一瞬のうちに応答したり行動を取ることは、将来の可能性を消してしまう。
この次にあなたが感情が絡む課題を交渉する場合は(相手が男性だろうと、女性だろうと、グループだろうと)、相手が応答を求めてきた場合、一呼吸置いて、次のように考えてみるんが良いだろう。これから自分が提示しようとしてるポジションは、自分は良識をもって正しいと言えるだろうか?逆にあなたが相手に応答を求める場合、事前に考える時間を与えたほうが良いかもしれない。相手は、より考え抜いた、現実的な応答を示すことが出来るかもしれない。
筆者について:
サム・マクベス
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