Eの悲劇

公開されました: 12 12 , 2015
投稿者: スティーブン・ホワイト

サンデー・タイムズの旅行欄で、とある不幸な出来事の記事を読んだ。グラハム・デイヴィス氏は英国発フィリピン行きの乗り継ぎ便を予約した。彼はチープオエアーという名前の旅行代理店を使った。おそらくこの代理店を選んだことが彼の最初の間違いだったのだろう。だってそう思いませんか?「ゴミカス配管リミテッド」に排水管の水漏れ修理を依頼するようなものだし、「無気力税理士法人」に税務申告を依頼するようなものだ。

とにかく、チケットを購入する過程で、デイヴィス氏の名前が間違って登録された。正しい綴りはDaviesだが、eが抜けたDavisとなっていた。彼はチープオエアーに電話をかけて姓の綴りの訂正を依頼した。だがチープオエアーは、姓を訂正することは出来ない、正しい綴りで新しいチケットを買い直してください、と言った。新しいチケットの値段は806ポンドだ。チープオエアーは、自社も航空会社も、出来ることは何もないと頑として譲ろうとしない。サンデー・タイムズの消費者問題専門の記者が交渉に入っても結果は変わらなかった。

デイヴィス氏の話を聞いて、とあるジョークを思い出した。ある男性が職場で次のようなメールを受け取る。「親愛なるアラン、私は隣に住んでいるボブです。暫くの間私の心を悩ませていたことを、あなたに白状します。本来なら直接お会いしてお話すべきですが、罪悪感のあまり、あなたに面と向き合うことが出来そうにありません。お伝えしたかったのはこういうことです。過去6ヶ月に渡り、私はあなたと奥さんを共有していました。とくに、あなたが仕事で出かけている時にです。心からお詫びします」

彼は激怒した。家に飛んで帰り、妻と激しい諍いが始まった。双方ともに興奮はエスカレートし、ついには暴力に訴える。気がつけば妻は床の上で死んでいた。

彼はひどく取り乱していた。物音一つしない部屋、彼の携帯からメールの着信音が響く。メールはこんな内容だった。「アラン、ボブです、何度もすみません。さっきのメールですが、タイプミスにはもちろんお気づきですよね?Wife(奥さん)じゃなくて、申し上げたかったのはWiFi(無線LAN)です。まったく、とんでもない間違いですよね!」

話の教訓を私があらためて繰り返すまでもないだろう。経験豊富な交渉者は、ちょっとしたスペルミス(あるいは、思い込みで文章の要点を違う解釈をしてしまい、それに気がつかない場合)、合意内容が大幅に変わってしまうことを知っている。確認を怠らないように!

 

原文: E By Gum


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