対立的なスタンス

公開されました: 5 28 , 2015
投稿者: ロビン・コープランド

 私の友人はテキスタイルを製造する会社を経営している。特定されてしまうと困るのでそれ以上詳しいことには触れずにおこう。30年前に操業した時、苦しい数年間を乗り切るために、大手顧客を開拓しようと必死だった。幸運なことに彼の会社はいくつかの大手顧客を見つけることが出来た。その中の一社は当時も現在も英国を代表するハイストリートファッションだ。

この会社は外部に対して常に厳格な基準を求めた。私は当時ホテル業界で働いていた。ある年、ホテルは、彼の会社から、年に一度の従業員ディナーパーティーを請け負った。ディナーの数週間前にその会社の人事トップが抜き打ちで現れ「ホテルの廚房を監査したい」と言ってきた。800人のゲストにバーンズ・ナイト(訳注:1月25日にスコットランドの詩人ロバート・バーンズを祝う伝統行事)のディナーを準備している最中だった。エグゼクティブ・シェフは、マイケル・ルーよりはゴードン・ラムゼーの下で修行してきたような男だった。訪れた人事部長に、その「監査」とやらをどこに押し込んでおきたいのか、非常にはっりとした言葉で伝えた。周囲でやり取りを聴いていたスタッフは大笑いしていた。

本題に戻る。彼の会社もまた、先に上げた大手ファッション企業に同じようにぞんざいな扱いを受けていた。工場監査は頻繁におこなわれた。前回の合意を突然変更されたり、ちょっとした管理上の都合で支払いが止められた。入金が無いので支払いを止められたことに気がつく、という具合だった。つまらない理由で商品が返品されてきた。こういった顧客と取引したことがある人なら馴染みがある行動だろう。

友人はこれらすべてに我慢がならなかった。率直に言って、よほどの気骨がなければ彼のような行動をとることは出来ないだろう。彼は怒りをたぎらせながら時が来るのを待った。唯一の望みはこの煩い顧客を葬り去ることだった。ついにその時が来ると、彼は歓喜を抱きながらサウスイングランドの顧客のオフィスへと飛んだ。顧客に彼が来ることは言わなかった。取引先の担当者に、非常にはっきりした言葉をもって、貴社との取引は終わりだ、次シーズンのサプライヤーとして他を探してくれ、と伝えた。いかなる甘言も脅しも用をなさなかった。

賢明な行動だろうか?彼は笑いながら、賢明な行動ではないと認めた。彼は満足しただろうか?それはもう、もちろん!

交渉者は覚えておく必要がある。取引の相手をいじめ、攻撃的に振る舞えば、短期的には勝てるかもしれない。だが、長期的には、そのような人達は大切なパートナーを失うことになる。

対立的なスタンスは、相手の対立的なスタンスを誘発する。

 

原文:  Competitive Stances Breed Competitive Stances


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