10億ドルの小切手

公開されました: 1 08 , 2015
投稿者: アラン・スミス

クリスマスの時期は好きだがクリスマスの費用を支払うのは嫌いだ。

5人の子供の父親として、クリスマスは素晴らしいシーズンであると同時にお金のかかる時期だ。他の人も同じだろう。近づいてくるクリスマスには心が踊る。マーケティングに関わる人達にそそのかされて(神よ、彼らを称えたまえ)必要のない買い物に財布の紐をゆるめてしまう。単に人をびっくりさせたり、自分の無愛想な見た目にも関わらず本当はいいヤツだと思わるためだけに。

月がかわり1月。口座残高は心細く、次の給料日は危なっかしいほどに先だ。

先日雑誌を斜め読みしていて、米国のとある女性が、信じられないくらいにリッチな夫からの離婚慰謝料として10億ドルの受取を拒んだ、という記事に出くわした。一体全体どういうことなのか?

この話をご存じない?非常にシンプルな話だ。とある男性がとある女性と結婚した。ビジネスは軌道に乗った。26年後に離婚することになった。現代社会のあちこちで見出される血みどろの戦いだ。結婚生活の初期、忙しくすれ違いの多い日々を過ごし、あるとき気がつくとベッドで隣に寝ているのは見知らぬ誰か。残りの人生をこのパートナーに囚われて過ごすことは間違いなのではないかとの考えがつのり、あとは坂道を転げ落ちるように物事が進んでゆく。

よくある離婚の物語と一つだけ違うのは、夫が180億ドルの価値がある事業を築いていたという点だ。この夫婦はコンチネンタル・リソーシーズ社のハロルド・ハム会長とその夫人である。同社は米国オクラホマ州の巨大な石油会社だ。

ハム氏は元夫人であるアン・アーネル氏に10億ドルの小切手を送ったようだ。一度きりの人生ではとても使い切れないどころか、人生が20回あっても使い切れない金額だろう。

小切手はそのままにハム氏に送り返された。アーネル氏はこの金額では到底不足だと述べたという。もし私がこの小切手を受け取ったら、有り難くいただき、可能なうちに現金化することだろう。原油価格は今では1バレル50ドル以下だ。

離婚に際して人はありとあらゆる感情を経験する。ほとんどは不快な感情であり、今後の人生に向けて財政基盤を築いたりフェアで理にかなった見返りを得ようとするのではなく、相手に打ち勝つことばかり考えるようになる。

相手に打ち勝つことを原動力とするのならば、一番得をするのは弁護士だろう。私はアーネル氏が正当な対価よりも低い見返りを受け取るべきだといっているのではない。そうではなく、彼女が勝ち組になる道は、この10億ドルを受け取り、このお金を他者やチャリティに使いながら幸せな人生を過ごすことではないか、と考える。

交渉において、時に人は何が良い取引かを完全に忘れ、勝ちにこだわって無様な行動を取る。道を踏み外さないためには、意味のある形で事前プランを練り、準備を行っておくことだ。

一つの考え方ではあるが。

あけましておめでとうございます。2015年が素晴らしい年になりますように。

 

原文: Fancy a Cheque for a Billion Dollars


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