暗黒の日

公開されました: 10 08 , 2015
投稿者: アラン・スミス

私のとっても英国の友人や同僚にとっても、土曜の夜は暗い時間だった。誰かが亡くなったわけでもないのに夢や希望が永遠に失われたという感情が満ちていた。

イングランド代表チームはラグビーワールドカップの一次リーグで敗退した。スポーツファンだろうとなかろうと、どれほどの衝撃なのかご想像いただけるだろう。ワールドカップの開催国が緒戦で敗退したことは過去一度も無かった。先週ウェールズでイングランドが敗退を喫するやいなや、イングランドは大いなる喪失感に包まれた。率直に言って、この試合は勝てるはずだった。 

イングランドチームの敗北はラグビー界に留まらず各所に影響を及ぼし始めている。何十億ポンドもの経済効果が失われた。株式市場は下落した。企業は期待された売上を失ったのみならず(メディアは沈黙し、人々はテレビを離れ、広告予算は使われなくなった)、国全体を覆っていた熱気や高揚感も消えた。イングランドチームのフロントと同じ苦悩を国民が分かち合っている。

この状況から何かを学べるだろうか?

マシュー・サイードの素晴らしい新著「ブラックボックス思考」によると、ここから何を得られるかは、あなたが失敗やミスにどのような態度で向き合うかにかかっている。

サイードはミスに向き合う態度を二つの職業で比較した。医療と航空産業だ。

航空輸送は今では世界で最も安全な交通手段となった。航空輸送における安全性の根幹は、パイロットなど航空従事者が、自らが犯したミスを認め、そこから学ぶオープンな姿勢によっている。ミスを責める文化は消え、学ぶ文化が取って替わったのだ。パイロットは、今では物事を改善しようとして上手くゆかなかった事象を共有することを職務上の責任と捉えている。「安全は過去の航空機事故の犠牲者の上に築かれている」というとあるパイロットの言葉は非常に印象に残る。

医療従事者はどうだろうか。米国の病院では癌と心臓病に続く三番目の死因は医療過誤と言われている。しかしながら、ドクターの病理としてミスを認めることには非常に消極的だ。

この複雑な世界でミスは常に起こり続ける。大切なのは、ミスからの学びを変化のプロセスにしっかりと結びつけることだ。条件反射のようにミスを責めれば情報の流れを止めてしまう。世界トップクラスの組織は、まずミスを調べ、ミスから学び、本当に起きていることを見つけた後で譴責する。

ラグビーワールドカップにおけるイングランドの敗退は、我々が無自覚に陥っていた錯誤やその理由について深く考える必要性を訴えかけてくる。どの部分を変える必要があるのだろう?成功と失敗をどのように記録し測るのか?失敗に終わった結果を改善するために、次にしなくてはならないことは何だろうか?

交渉者にとってブラックボックスを覗き込むマインドセットは非常に重要だ。高揚感や絶望の最中、我々はブラックボックスの中をあえて覗き込もうとはしない。だが、あえてそのような姿勢に努めれば、結局のところ、未来はずっと良い物になるだろう。

ところで、誰かイングランドチームのTシャツ、要りませんか?

 

原文: A Black Day to Be English


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