相手にとっての価値を考える

公開されました: 7 17 , 2014
投稿者: アラン・スミス

選挙の夏が近づいてきた。大西洋の両岸ともに、政治家の声明や政治姿勢、写真で埋め尽くされることだろう。これらはいずれも、自陣営が政治的に優位な立場を得るための手段である。

米国の中間選挙は11月である。5月には翌年の総選挙に向けてのキャンペーンが始まる。英国における選挙の中心人物の一人である労働党の党首エド・ミリバンドは、出来る限りの支援をとりつけるべく、米国に熱心な視線を送っている。彼は労働党の上席戦略アドバイザーとして、デビット・アクセルロッドを迎え入れようとしている。アクセルロッドはオバマを2度に渡る勝利に導いた人物である。

アクセルロッドは、オバマからの支援(文字通りの意味でも、象徴的な意味でも)を得るべく、文字通りありとあらゆる手段を使うだろう。先週のRadio 4の番組によると、ミリバンドと米国大統領の会見写真は、彼が英国トップにふさわしい人物であると印象づける役に立つと、ミリバンドは信じているという。

この考えは正しいかもしれない。近年ミリバンドがベーコンサンドイッチを頬張っている写真がメディアを賑わしたが、あの間抜けな写真によって、彼はどれくらいのダメージを被っただろう。オバマ大統領と向き合う政治家らしい写真がメディアに出れば、ベーコンサンドイッチの写真から受けたダメージを回復できるかもしれない。オバマ大統領にとっては、ミリバンドと写真に収まることのコストなど、ゼロに等しい。それどころか、自身の立ち位置を強める方向に働いたかもしれない。とはいうものの、あの写真を撮るために必要となった様々な配慮を考えれば、少し違う見方もあるかもしれないが(訳注:米国大統領は、英国の野党党首とは公式には会見しない)。

ホワイトハウスのスタッフは、交渉の真実をあらためて認識しているかもしれない。自分達にとってはほとんどゼロコストで譲歩できることが、交渉の相手にとっても同じに見えるとは限らない。あらゆる交渉は、何らかの交換である。そして、いちばん良い形の交換とは、ある物事の価値が双方にとって異なる状態での交換である。労働党の党首であるミリバンドにとっては、オバマ大統領とともに映った写真には大きな価値がある。たぶん大統領はこの事実に気がついていて、何か大きな見返りを確約していることだろう。

大統領にとって、ミリバンドとともに写真に収まること自体は殆どコストが掛からないが、コストが掛からないという事実は、単なるボーナスのようなものだ。

誰かがあなたに何かを求めてきた時は、あなたにとってのコストを考えるだけではなく、相手にとって、その事がどれくらいの価値があるのかを考えてみよう。

原典: What's it worth


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