黒帯と交渉者

公開されました: 6 05 , 2014
投稿者: アラン・スミス

6年前、当時8才だった娘は、兄と同じ空手道場に通うことになった。これは私にとってはとても嬉しいことだった。私は思い切って娘を子供のクラスではなく、一般人向けの時間帯に通わせることとした。

息子は空手が好きになれなかったが、私と娘は空手を続けた。先週の金曜日、娘はついに黒帯を頂いた。私にとってはとてつもなく喜ばしいことであり、そこに至るまでの努力や並々ならぬ決意を本当に誇りに感じる。

初段を頂いた後、私は師範の息子と話す機会があった。デビット・トーマスは19歳の有段者で、この道場を経営している。つい先週、バーミンガムで行われた国際空手オープンチャンピオンシップ84Kg級で優勝した。手強い格闘家だ。

彼はこれまで数多のチャンピオンシップに挑戦してきたが、全て敗北を期してきた。彼ほどの格闘家が、一体なぜなのだろうか?

デビットによると、彼が勝利をおさめたチャンピオンシップでは、コーチ兼オブザーバーが居たので、その利点を活かして優位な戦術を決めることが出来たという。最終戦では過去に何度も勝てなかった相手に当たった。デビットはコーチに助言を求めた。

彼が得た助言は、今になってみれば、ごく当たり前のものと言えるかもしれない。デビットの対戦相手は逆攻撃の名手だった。コーチは対戦相手の試合を最初から最後まで見ており、対戦相手は必ず相手からの攻撃を待って、これを自らの得点に変えていたことを見抜いていた。デビットへの助言は「耐えて自制し、攻撃するな」だった。

デビットは助言に従った。

対戦相手はこの戦術に困惑し、どう対応してよいかも分からなかった。結果、相手は自分から攻撃をしかけ、そののちどうなったかは既に述べたとおり。デビットの格闘家としての能力はまったく疑いの余地もないが、試合のように高プレッシャー環境下では、勝利は、ごく僅かな、一方がほんのわずかに優位にたつような差異によって決まる。イングランド・ラグビーチームの前マネージャーだったクライブ・ウッドワードは、これをT-CUP(Total Control Under Pressure プレッシャー下での完全な自制)と呼んだ。

勝利に導くほんの少しの差異は、相手を観察、分析することによってもたらされることが多い。言うのは簡単だが、試合の場でも交渉の場でも、実践することはとてつもなく難しい。チームメンバーを交渉の場に連れてゆこう。彼らは時間をかせぎ、何が起こっているのかを見つけ、戦術にアドバイスをして手助けしてくれるかもしれない。

有段者はそうしている。

原典: The Black Belt and The Negotiatior


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