移籍交渉

公開されました: 8 21 , 2014
投稿者: トム・フェインソン

季節はいつも気づかぬうちに移り変わってゆく。ワールドカップはつい最近の出来事のようだが、気がつけばもう新たなシーズン、夢や希望、前向きな気持ちを新たに、希望に満ちた時期だ。

あなたがサウサンプトンのサポーターなら話はちょっとちがうかもしれないが「移籍期間」という素晴らしい慣習の時期でもある。働きの悪いレフトバックや調子に波がありすぎるウィンガーを放出して、最高のストライカーをチームに加える事が出来る。

選手の移籍は全てはお金に帰結する、というのは問題だ。トム・クルーズ主演の映画「ザ・エージェント」でのキューバ・グディング・ジュニアの台詞”Show me the money”が象徴的だ。お金以外に何かややこしい話などあるのか?移籍期間という慣習はとてもシンプルで、選手ば一番高い値をつけたクラブに移るだけだ。このような考え方は、ビジネスでも頻繁に耳にする。ありふれた商品やサービスなのだから、値段こそが唯一絶対の課題だ。だが、この見方は正しいだろうか?

お金がもっとも重要な課題であることは論議の余地が無いだろう。しかしながら、お金は唯一無二の課題だろうか?「カネが全て」に見えるプロサッカーの世界でも、世間のイメージに反して、契約の内容は驚くほど独創的でありバリエーションに満ちている。交換できる変数を作り出し、それらが双方にとって異なる価値を持つことを確認する。時間変数のクリエイティブな使い方、委託条項、買取条項、パブリシティ条項、パフォーマンスボーナス、肖像権、など、リストは無数に続いてゆく。中には変わったものもある。例えば:

  • ある若手スター選手は常に71分から試合に投入される。理由は?前クラブとの契約により、彼が20分を超えて試合に出ると、1分あたり10,000ポンドを前チームに支払う取り決めになっているので。
  • ある有名選手は、契約書に「体重維持条項」を課せられている。ターゲット体重に対して10%以内を維持できない場合、この選手は罰金を支払う。過去6ヶ月の間に、彼は8回罰金を課せられている。
  • ある目立ちたがり屋のチェアマンは、監督と契約する際に、キックオフ45分前までは出場選手を自分の裁量で変更できる、という条項を入れた。
  • あるドイツ人ゴールキーパーは、人種差別があからさまになった場合チームを去ることが出来る条項を加えた。3ヶ月後に彼はチームを去った。 
  • とあるチームは、選手が商業宇宙飛行を試すことを非常に心配した。そのため、4年間の契約期間中は選手が大気圏外にでることを禁じた。
  • コンゴ人のミッドフィルダーは、彼の妻が料理教室に通うという契約が締結できたら、それを条件にチームと契約する、という条件をつけた。彼の家庭内で何が起こったのかはよくわからない。
  • ドイツ人のストライカーは、契約期間中毎年家を立て替える、という条件をつけた。「家」が何を意味するのか、具体的に特定されていると良いのだが。レゴで出来た家を贈られた、という噂を聞いた。
  • とあるチェアマンは、新たに契約を締結した選手に対して、コミットメントを見せるために羊の睾丸を食べることを求めた。その選手は実際に、レモンとパセリで味付けされた睾丸の料理を食べたそうだ。
  • ドイツ人の監督は、シーズン開始後8日以後降格圏から3ポイント以内になった場合いつでも解雇できるとう条項を付けられている(具体的に特定している素晴らしい例だ)。このチームは実際に降格圏に近づきすぎてしまい、ドイツ人マネージャーは解雇された。

というわけで、もしあなたが、価格が全てと思われる状況に直面したら、サッカーの監督やチェアマン、エージェントからの教訓を思い出して欲しい。クリエイティブに考え、双方の当事者がハッピーになるような変数を出来るだけ導入して欲しい。

同じような話だが、私は最近、マンチェスターユナイテッドとアディダスがユニフォームのスポンサーシップについて締結した契約の記事を読んで、非常に感心した。表面的には、それほど複雑な契約ではない。アディダスは巨額の金額を一度に支払い、選手のシャツにはアディダスの名前が表示される。しかしながら実際には、何人もの弁護士が数ヶ月にわたって寝ずに働いたようだ。なぜそうなるかって?金額が甚大なので、投資額に見合った価値を受けることは非常に重要だし、この取引のリスクをできるだけ下げる必要がある。もしマンチェスターユナイテッドが2シーズン連続でチャンピオンズリーグに進出できなかった場合、年間スポンサー費用は7500万ポンドから5250万ポンドに減額される。ただし、この状況は2015年-2016年のシーズンから適用される。時間変数のうまい使い方だ。マンチェスターユナイテッドはこの条項を受け入れる見返りに、チャンピオンズリーグ、FAカップ、プレミアムリーグで勝利を収めた場合400万ポンドのボーナスを受け取る、という条件を得た。このテクニックはオーバー・アンダーとして知られているもので、パフォーマンスを下回った場合のリスクと上回った場合の報酬をバランスするものだ。アディダスが契約期間中を通してユナイテッドの低いパフォーマンスを心配することは無いと、個人的には考えているが。

マンチェスターユナイテッドについて、長く話しすぎたかもしれない。

原典: Show Me The Money

 


共有する

blogAuthor

筆者について:

トム・フェインソン
No bio is currently avaliable

Latest Blog:

不利な取引をするならしないほうが良い?

Brexit交渉は、この先2年から3年の間、交渉について格好のネタ元でありつづけるだろう(それよりもずっと長くなると主張している評論家も居る)。このブログを読んでいる海外の方には、前もってお詫びせねばならないかもしれない。多くの教訓を引き出せるだろうし、それに何よりも、以下のような人にとっては教訓のある話になるだろう。...

Latest Tweet:

スコットワーク株式会社
スコットワーク株式会社 103-0023
東京都中央区日本橋3-3-6
ワカ末ビル7F
Japan
+81 3 6202 2839
info.jp@scotwork.com
Follow us
cpd.png
voty2016_sign_gold.png