約束は約束

公開されました: 5 15 , 2014
投稿者: スティーブン・ホワイト

ロンドンタイムスの外交主幹編集長であるロジャー・ボーイズは、水曜日の署名記事で、イランの核開発に対する西側社会のアプローチを批評した。全文は こちらで読める。彼の説を要約すると、現在進行中の交渉において、イランのロウハーニー大統領は核開発の意図が無いと主張し続けているものの、イランの政治体制では大統領は一時的な役割を担っているに過ぎないので、イスラム革命防衛隊(国内政治と核開発プログラムにより強固な影響力を持っている)に国際社会からの査察を受け入れさせないと、これまでの合意は意味が無くなる可能性があるという。結果としてイランは核爆弾を開発し、世界は以前の秩序を回復する力を失うかもしれない。

同じく水曜日、デンマークの外務大臣であるマーティン・リデゴーは、シリア政府が昨年度にシリア政府と合意した化学兵器の引き渡しについて、合意したスケジュールを守り、引き渡しを急ぐように表明した。ロイターの記事は こちらで読める。シリアは既に何度か合意したスケジュールを反故にしており、また所有する化学兵器は既に92%が特定されているものの、保管量が一致しない部分があるという。7月30日までに完了するはずの行程があるが、この日付も守られないだろうと言われている。デンマークは、自国の船舶がこの化学物質を運搬する責を担っておりこの件に関与しているが、シリアは引き渡しから逃げ続けており、運搬船は東地中海で待機を続けている。

さらに同じく水曜日、英国首相の国会質疑において、前日のファイザーCEOイアン・リードの発言について、怒りに満ちた質疑が行われた。イアン・リードは、仮にアストラゼネカの買収がうまくいったとして、UKの研究開発部門を閉鎖したり人員削減を行う予定はない、と述べた。ファイザーはこのような約束を守ることにかけては、芳しくない過去がある。2010年にクラフトフードがキャドバリーを買収した際に、ブリストル近郊のキャドバリー工場を閉鎖する予定はないと政府に確約したが、買収後1週間で工場は閉鎖され、400人が職を失ったことが思い起こされる。

ビジネスの交渉での約束や保証には、どのような価値が有るのだろうか?もちろん文化によって異なる。ドイツで何かをある日付までに納品すると約束したら、この約束を止めることが出来るのは世界の破滅のみだ。南ヨーロッパのいくつかの国では、約束とは努力目標のようなものであり、気持ちも熱意もあるのだけれど、両者ともに、それが本当に実現されるという期待はより低いのが一般的だ。

約束の確実な履行を確実にする単純な手法は、守れなかった場合の値を付けることであり、通常これは脅威や違約金といった形をとる。しかしながら、ビジネスの関係では(上で挙げたような政治的な例でも同じだが)、脅威を取引に組み込むことは、自殺行為になることがある。

私はかつて、契約の最初の段階でクライアントが数量を確約したので、それに基づいたインセンティブ支払いプランに同意したことがある。合意された数量に達しなかったので、我々はインセンティブを拒否した。クライアントは激怒し、関係の終了を仄めかしてきた。法的にも倫理的にも我々は正しかったが、現実的には大きな問題に巻き込まれた。結果として、そのインセンティブを支払うが、翌年、インセンティブをカウントする前に、今年足りなかったぶんを達成してから来年のカウントを始める、という方法で合意がなされた。

さて、私はそろそろ失礼しなくては。バスルームの蛇口から水滴がたれているのを修理しなくては。私は家内に修理すると約束した。実際のところ、水滴は何年もたれ続けていて、修理の約束も何度したことか。それでも、結婚生活は続いている。

原典: Promises Promises


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