無謬性

公開されました: 10 30 , 2014
投稿者: スティーブン・ホワイト

ある自動車整備工が著名な心臓外科医のクルマを預かり、エンジンを修理していた。心臓外科医はクルマを整備工場に引き取りに来たが、修理はまだほとんど終わっていなかった。整備工はエンジンの様子を見てもらうために、心臓外科医をクルマの側に呼んだ。

「先生、あなたと私は同じ仕事ですよね?私はエンジンを開いてバルブを取り出し、壊れたものを全部交換して、取り出したものを元に戻す。修理が終われば新品同様です。私の年収は4万ポンドですが、どうして先生の年収は40万ポンドなんですかね?」

「ああ」心臓外科医は億面のかけらもなく答えた。「エンジンが動いている最中にそれを全部やってのけたら、君も同じ年収が取れると思うよ」

ニュースによると、北朝鮮の金正恩氏が公式の場から姿を消しており、原因は健康上の問題だという。ニュースを読んだ時、私はこの話を思い出した。今日の続報によると「外国人医師」が平壌に飛び、膝の嚢胞の手術を行ったという。膝の手術の相場は分からないが、出張手術の費用は甚大なものだったのだろう。

自信と、自分たちは絶対に過ちを犯さないという確信があるからこそ受けた、難しい仕事だろう。勇気のある人達だ。金氏が回復すれば(少なくとも北朝鮮国内では)彼らはヒーローだ。もし回復しなければ、チームはそれなりの長期にわたって出国ビザを発給してくれるよう交渉することになる。おそらくは塀の中から。

医者と交渉者には似ている面がある。医者と同じく、交渉者も常に結果責任が問われる。交渉者の仕事は常に結果が目に見えてしまうのだから。交渉がうまくゆき合意事項を持ち帰れば交渉者は称賛を受ける。失敗すれば非難され、あるいは単なる非難よりも悪い結末が待っている。

一部の医者と同じように、自分の能力に自信を持ちすぎている交渉者も居る。例えば、ドミニク・ストロス=カーンだ。2011年にセックススキャンダルのためにIMF専務理事を辞任することになったものの、彼は現在も政治的な野心を捨てておらず、次期フランス大統領候補となるかもしれない。

先週ストロス=カーンのビジネスパートナーだったティエリー・リエンが自殺し、過去のお粗末な顛末の一部が明らかになった。

これはおそらく、ストロス=カーンの権力志向に油を注ぐことになるだろう。暫くは要注目だ。

政治家よ、覚えておくが良い。あなた達は、そもそも過去に何か交渉したことがあるのか?レトリックと熱気は数知れず作り出しただろうが。交渉はゲームではない。

原文: Infallliability


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