電子書籍

公開されました: 9 04 , 2014
投稿者: アラン・スミス

私はKindleが大のお気に入りだ。

手軽に本を読むことができるし、夜本を読むときにも画面は読みやすい。大量の本を持って歩くことが出来る。他にも魅力はたくさんある。印刷された本も好きだが、Kindle書籍の利点は値段が安いという点。インターネットにアクセスさえできれば、これまで出版された本はほとんど手に入れることが出来る。素晴らしい。

Kindleを気に入っているのは私だけではない。アマゾンはKindleを年間1000万台売っており、所有者は年間平均でおよそ10冊の本を買っている。かなりの読書量だ。

しかしながら誰もがKindleに同じ気持ちを抱いているわけではないらしい。フランスの出版社であるアシェットとアマゾンは価格の決定について揉めていることが明らかになった。

もしあなたが本が無料で手に入る洞窟の中で生活しているのでなければ、この論争の話は既に耳にしているだろう。オンライン通販の巨人アマゾンと出版社アシェットはちょっとした諍いをおこしている。書籍のデジタル版(電子書籍)について、煎じ詰めれば以下が論点だ。アマゾンは電子書籍を9.99ドルで売りたいが、アシェットはタイトルと著者に応じて価格を決めたい。

アマゾンは取引条件を好きな様に決められるだけ巨大になったので、電子書籍の「標準価格」を9.99ドルにするよう宣言してきた。サイモン&シュスター、ペンギン、アシェットなどの出版社は自分で売値を決めたいが、アマゾンへの対抗手段も無いと感じていた。交渉の始まりだ。

交渉が始まるやいなや、アマゾンとアシェットはお互いに激しく対立していることに気がついた。アシェットは小売価格の70%を卸価格として、著者への支払いは都度交渉で決めているものの10%程度だ。個別の契約によるが、アマゾンの取り分は30%だ。一方アマゾンは電子書籍の利益率は現在と同じ30%を保ちたいものの、大部分の電子書籍の値段を9.99ドル以下にしたいと考えている。書籍にもよるが、これは現在の価格から30%ないし50%安い値段となる。さらには、アマゾンは著者と出版社の取り分を7対3にすることも提案している。

アマゾンがサプライヤーにプレッシャーをかけるのは競争優位を保つためだ。そして出版社がその渦中にある。電子書籍の値段を下げれば売上は増え、全員がより多くの恩恵を得られるとアマゾンは主張している。出版社は印刷せず、返品も再販もなく、倉庫も必要ないのだから、本の価格を高く保つことは正当化出来ない、また、本の値段が高いので出版業界は自らの首を締めており、価格は他の娯楽産業と競争できるものでなければならない、とも言っている。

一方のアシェットは、すべての出版物に1つの価格というモデルは機能しないし、自社の出版物の値段は自社で決めたいと考えいる。伝え聞くところによると、アシェットは出版社の役割を「本を編集し、マーケティングして配布する」と考えており、これをアマゾンと同意しない限り、次に進まないだろうとのことである。更には、アマゾンは自らの行動を通して筆者を苦しめており、この論争が決着したあかつきには、筆者に補償を行うべきである、とも主張している。

というわけで、両者の間には線が引かれ、戦いが進行中だ。

アシェットは上記論点に加えて、かなり強力なカードを揃えてきた。多くの作家からの支持だ。JKローリング、スティーブン・キング、AAミルン、イアン・バンクス、その他あまたの作家の著書がアマゾンから買えなくなれば、消費者はアマゾン以外に目を向ける。これはアマゾンにとっては売上の痛手だけではなく、全てをアマゾンでというガイド原則に反する結果に結びつく可能性がある。

出版社がこのカードを切れば、興味深い状況になるだろう。

いうまでもなく、脅威のカードをプレイするリスクは、論争が紛争レベルにまで悪化してしまうという点。これはアマゾンにとっても例外ではない。

この論争がどのように決着するのか、続報が分かると良いのだが。どのようになったのかは、Kindleで読むことができるかもしれない。

原典: How Do You Read It?


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