スイスの国民投票が示すもの

公開されました: 2 13 , 2014
投稿者: アラン・スミス

スイスの経済は絶好調であり、失業率は低い。しかしながら、多くのスイス人は移民問題に目を向け始めている。昨年スイスは8万人を新たに受け入れた。スイスの人口は500万人であり外国人は23%を占めている。ヨーロッパ諸国の中ではルクセンブルクが外国人比率が一番高く42%であり、スイスは2番目である。

先週スイスは国民投票を行い、EU他国からの移民により厳しい上限を設ける法案を国民に諮った。結果は50.3%が移民制限を支持するものだった。この投票は、スイスとEU諸国との間での人の移動の自由についての合意を無効化するものだ。この合意は4つの「自由」、すなわち、モノの移動、資本の移動、サービスの移動と人の移動、を定めていた。他の3つの「自由」については、スイス人は気に入っているようだ。

ドイツの外務大臣ヴォルフガング・ショイブレは、国民投票の結果を「スイスにとっての厄介事の種」と表現し、フランスの外務大臣ローラン・ファビウスは「スイスは内向きになることを通して自らを傷つけることになるだろう」と述べた。

厳格な独立主義国であるスイスはEUの加盟国ではないが、EUの政策を数多く採用しており、そこから多くの恩恵を受けている。しかしながら、受けた恩恵のコスト面を支払うことについては、あまり好んでいないようだ。

自らがルクセンブルクの住人であるEU副委員長ヴィヴィアン・レディングは、スイスについてはっきりと不快感を表明した。同じように感じたヨーロッパ人は数知れない。副委員長は「もしも何か良い物を手にしたいと望むなら、自分達があまり好まないものも受け入れなくてはならない」と述べた。チーズを買うなら丸ごとで、穴の空いたチーズを避けてはならない、というわけだ。

私の意見では、スイスは自分達が決めた方向に進めば良いと思う。彼らがヨーロッパの動きに追従したくないならば、自国にやってくる移民の数を制限する権利がある。しかしながら、この選択には必然的な結果が伴う。両方の良い所だけを手にする、というわけにはゆかない。見返りとなる条件を受け入れない限り、モノと資本とサービスが自由に動ける大きな単一市場にアクセスすることは出来ない。

もし移民の数を一方的に制限したいと望むなら、他のヨーロッパ諸国にとって独自路線が少しでも口当たりがよくなるような譲歩を、スイスは受け入れる必要があるだろう。たとえば無料のチョコレートを欧州全体に配布する、というような!

交渉では相手の条件を受け入れる見返りに、何らかの条件を課す。「もし街までクルマで送ってくれたら、あとで部屋を掃除するって約束する」「値段を下げてくれたら、もっと数を買いますよ」問題なのは、相手が良い所だけをとって、条件を無視することだ。

相手の都合の良い解釈を許していると、相手はその行動を続けることになる。

原典: Cuckoo. Is the Clock Running Out On Switzerland?


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