カウントダウン

公開されました: 8 15 , 2014
投稿者: ジョン・マクミラン

過去300年間にわたって英連邦の一部だったスコットランドは、9月18日、国民投票をおこない、英連邦に留まるか、独立国としての路を歩むのかを国民に諮ることになる。

仮に独立派が過半数を得たとしよう。スコットランド政府は2016年3月24日、投票からわずか18ヶ月後を期限として設定した。非常に難しい交渉の課題を自らに課したことになる。

期限は両刃の剣だ。誘拐犯が「もしxx時間以内に身代金を払わないなら人質を殺す」という期限を設定したとしよう。期限が来るまでの間パワーは誘拐犯の側にある。しかしながら、期限が近づくにつれてパワーは拮抗してゆく。誘拐犯の脅しがはったりだと考えるなら、何もしないことが一番良い。期限を過ぎても人質が殺されなければ、誘拐犯の側のパワーは消え、誘拐犯の言葉は単なる脅しと考えられるようになる。

スコットランド政府が交渉終了の期限を設定したのは、戦術としては正しかったろうか?たぶん間違いだろう。去りゆくスコットランドとrUK(rest of UK,スコットランド以外の英連邦)との間には、交渉課題は山のようにある。設定された期日までに全ての課題で合意に至ることなど、全くありそうにない。結果、rUKはより多くのパワーを得ることになる。スコットランドはこれを知った上で交渉に臨む必要がある。遅れは相手の優位になる。

スコットランドの交渉者にとって、もう一つの問題は、スコットランドの政治家が既に要求のリストを提示している、という点だ。これは交渉なので、最終段階での合意は当初のリストとは大きく異なるものになるだろう。公表されているリストからの後退は、政治的な意味合いを帯びる「降伏」と見做されるかもしれない。

我々のパブリックセクターでの経験によると、今後rUKとの間で行われる切った張ったの交渉に、公務員は備えも出来ていないし、慣れても居ない。rUKは自分達の利益を守りぬこうとするだろう。協調的スタンスの交渉にはならないだろう。

加えて2つの交渉が同時に必要になる。一つはEUへの加盟条件について、また、国連と英連邦が締結している600以上の条約の扱いについて。公務員の仕事はかなり増えるだろう。また、政治家も自身の利益のために、折にふれて口を出してくるだろう。

これらはすべて、公共セクターにスキルを有する交渉者を早急に配置する必要性を物語っている。また、現在英連邦が提供しているサービスを全て独自に備える必要性もある。交渉者にとっては、すばらしいキャリアのチャンスかもしれない。求人広告はいつ出始めるだろうか?

原典:  Countdown Conundrum?


共有する

blogAuthor

筆者について:

ジョン・マクミラン
No bio is currently avaliable

Latest Blog:

不利な取引をするならしないほうが良い?

Brexit交渉は、この先2年から3年の間、交渉について格好のネタ元でありつづけるだろう(それよりもずっと長くなると主張している評論家も居る)。このブログを読んでいる海外の方には、前もってお詫びせねばならないかもしれない。多くの教訓を引き出せるだろうし、それに何よりも、以下のような人にとっては教訓のある話になるだろう。...

Latest Tweet:

スコットワーク株式会社
スコットワーク株式会社 103-0023
東京都中央区日本橋3-3-6
ワカ末ビル7F
Japan
+81 3 6202 2839
info.jp@scotwork.com
Follow us
cpd.png
voty2016_sign_gold.png