政治と交渉

公開されました: 4 24 , 2014
投稿者: ロビン・コープランド

2014年9月が近づくに連れて、スコットランドは自らが政治の嵐の中心に居るように感じ始めている。事実としては、ヨーロッパのいくつかの国が独立についての進展を興味深く見守っているものの、それ以外の国はほとんど何の関心もないようだ。まぁ気にすることはない。スコットランドに住む我々にとって(あくまでも、国民投票が出来るスコットランドに住む我々にとって、のみの話だが)大切なのは、9月に国民投票があるという事実であり、政治家たちはより多くのスタッフを抱え、普段はお互いに宿敵とみなしている人達が対話を始めている、という点だ。このような状況の中で、前首相ゴードン・ブラウンの政治キャンペーン”Better Together”が再び取沙汰されている。宿敵である現首相デビット・キャメロンもこのキャンペーンを支持している。

独立派はスコットランド国民党SNPが政治キャンペーンをすべて取り仕切っている。彼らは統制がとれており、また政治論議も十分に事前準備がなされている。おそらくはかなりの練習もしているのだろう。なにしろ過去50年間この論点を争っているのだから。過去20年、彼らのメッセージはほとんど誰も耳を傾けなかったが、次第に力を強め、2007年には労働党を追い落としてスコットランド議会の第一党の地位を占めた。2011年には地滑り的な大勝利をおさめ、単独過半数まであと一歩の地位を得た。この流れが2014年の独立についての国民投票につながっている。

他方英連邦の3つの政党である保守党、自由民主党と労働党は、独立運動に対抗するために”Better Together”という不安定な連合を形成した。通常この3つの党は宿敵と言えるが(もっとも2010年の総選挙以来、保守党と自由民主党は同盟を組んでいるが)、パートナーシップを維持することが難しい。この3つの党は守勢であり膠着状態にあるが、SNPは一つであり変化を訴えかける攻勢の側となっている。世論調査によるとスコットランドが英連合に留まることを支持する声のほうが多いものの独立派も追い上げており、国民投票ではひょっとすると独立派が大勢となるのではないか、と考えられている。3年前には考えられなかった流れだ。

交渉について学べることが、ここにはいくつもある。

  • SNPは国民投票よりも先に事前交渉を始めるべきと主張している。実際の所国民投票から独立までは2年の期間があるので事前交渉は不要だろうが、”Better Together”陣営が事前交渉を拒んでいることは、独立派からすればマイナス要素となる。
  • SNPは変化を訴えかけているが、"Better Together"陣営は何もしないことを擁護している。交渉の見地から、スコットワークは常に、変化を求める側は提案をおこない、提案を通して攻勢に立つとアドバイスしている。現在のSNPがまさにその状態にある。SNPは変化に前向きな政党であり、SNPに反対している人達は変化を妨げるというイメージを植え付ける政治的効果がある。
  • SNPのキャンペーンはいくつもの仮定に則っている。たとえば、英連邦は独立スコットランドがスターリング・ポンド通貨圏に留まることを許す、ヨーロッパ諸国は独立スコットランドをEUに暖かく迎え入れてくれる、など。SNPはこれら独立の「プラス面」を自信に満ちた形で語っている。当然ながら”Better Together”陣営はこれらの仮定に反論しているが、そうすることを通して後ろ向きな守りの姿勢と受け取られている。

 

これらを見るにつけ、政治と交渉スキルは、一般に思われているほどに共通性が無いのかもしれない。交渉でうまくゆく行動は、政治のコンテキストに常にはうまく翻訳することが出来るとは限らない。

さて、スコットランドはどこに行くのだろうか?スコットワークの同僚の何人かは独立賛成だし、何人かは反対だ。イングランドの同僚の多くはは、自分達に投票権がないので、自分の意見を表明できないことを嘆いている。そしてなんと、独立イングランドを望んでいるものも居る!一体どういう形で決着するのだろうか?

原典: Better Together? Or Is Change As Good As a Rest?


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