弱い論議は強い論議を蝕む - オークランド市交通局

公開されました: 7 24 , 2014
投稿者: マーク・シンプソン

最近の報道によると、ニュージーランド・オークランド市の交通局は、スタッフがオークランド市内を移動する際に、スタッフ専用のシャトルバスを使っているという。「そのほうが、(自分達が提供している)公共交通よりも速い」という理由なのだそうだ。

この件がメディアの注目を集めた際に、オークランド市交通局は自分の足を自分で撃ちぬく失態を演じ、我々が「弱い論議は強い論議を蝕む」と呼ぶ事象の完璧な例を提供してくれた。

当初交通局は、スタッフ専用シャトルの必要性を次のように説明していた。「交通局が所有する乗用車の数を減らすことが出来るので、局の運営が効率化できる」シャトルバスの存在を正当化する真っ当な理由だ。

しかしながら、交通局長は、電車を使うのは不便で、時間がかかりすぎるのも理由だ、と付け加えて、更なる正当化を試みた!いわく:

「もちろん、スタッフが公共交通を使うことも、選択肢としては考えられます。しかしながら、電車は必ずしも便利というわけではない」

「電車では45分かかるわけですが、シャトルバスならドアからドアまでで20分から25分です」

交通局長は、これに続いて、シャトルバスの運転手の言葉を引用した。スケジュール上は42分から45分のルートを20分で走ることができるし、その間に、公共交通機関のバスに追いつき、追い越すことが日常茶飯事だ。

交通局長のクリス・ダービーは、局としてはスタッフの移動手段についてまだ考慮している最中であり、スタッフのニーズを理解する段階にある、と述べた。

スコットワークの「交渉スキルトレーニング」に参加した人にはお馴染みの内容だが、これは「弱い論議は強い論議を蝕む」という事象の典型例だ。「乗用車を何百台も所有することを避ける」という論点は、巨大都市の交通局がスタッフ専用シャトルバスを運行する完全な説明になる。以上、そこまで。

何かやるする時も、しない時も、そこには理由がある。我々は、その理由を、相手に説明する。それから2番めの理由を考えつき、それも相手に説明する。3番目の理由を思いつき、これも説明に加える。問題は、後から出てくる理由はその前の理由よりも必ず弱い、という点。最初の、強い論拠を、少しずつ蝕んでゆく。

交渉の場では、もしも強固な理由に遭遇した場合、「他に理由はありませんか?」と聞いてみよう。あと2つか3つの理由を付け加えるという誘惑に抗える人など居ない。後から来た理由は、前の理由よりも弱い。結果として、論議は弱くなり、当初の強い理由は、ほとんどオウンゴールと呼べる状態で弱められてゆく。

もしあなたが理由を説明できるなら、それを説明して、そして口をつぐもう!

原典: Argument Dilution - Aukland Transport Way


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