F1と会計士

公開されました: 11 20 , 2014
投稿者: スティーブン・ホワイト

一見すると、公認会計士とF1に共通点は無い。というわけで、今日のニュースで報じられたKPMGとマクラーレンの提携は予想外であり、エキサイティングでもあった。マクラーレンは、コースを周回するレーシングカーをいつピット・インさせるべきか判断のために、レーシングカーから膨大なデータを集めている。今回の提携を通してKPMGはこれらの手法やデータにアクセスすることが出来るようになる。KPMGはこの種のデータをいろいろな形で役立てようとしている。例えば、監査の際に周期的に発生しうる問題や課題を予測する。監査を、会社の過去を見るものから変えようとしているわけだ。この提携の一部として、KPMGはマクラーレンのスポンサーとなった。双方がお互いの交渉力を用いて良い取引を実現できたのは素晴らしい。

実にエキサイティングだ。過去のデータを使って未来を予測するという試み自体は、新しいものではない。テクノロジーが進歩したおかげでこの種の試みは簡単になり、また、信頼性も高くなったのだろう。現在はマネジメントが見つけられず内部通報に頼るのみだった組織の詐欺や不正について、洞察が得られることだろう。

ビックデータとは膨大な過去情報の集積と分析を意味する。ビジネス組織では、意思決定の際にはビックデータはますます重要になってゆくだろう。購買部門やマーケットトレーダーは分析好きな人が多い。ビックデータは驚くべき内容をもたらしてくれることがある。

LevittとDubnerによる著作「ヤバい経済学(原題:Freakonomics)」とその続編に、直感的にはあり得ない発見の例が載っている。例えば、麻薬の売人はほとんどが大邸宅ではなく母親とつつましく暮らしている。ビックデータによる分析を試みると、その理由が浮き上がってくる。麻薬の売人は大部分が路上で麻薬を売っており、実際のところほとんど儲けていない。麻薬の帝王として財を成す麻薬の売人はごくわずかだ。

ビックデータは交渉にも大いに役立つだろう。それどころか、ビジネスの交渉はこれまでにも増してデータに裏打ちされたものになるだろう。スコットワークのコースで教えていると、「交渉相手のほうが自分よりもずっと多くの情報を持っている場合、どのように交渉したら良いのですか?」という質問を受けることが多い。「追いつけ!、情報格差を解消せよ」というのがつまるところの答えだ。とはいっても、データに重きをおく交渉は、単なる数字ゲームになってしまうかもしれない。結果は誰もが当たり前に予測できるものとなり、時には倫理にもとることになるかもしれない。良い交渉者は、自らのスキルを使って交渉に豊かな発想や付加価値、モラルなどを持ち込んでゆく。数字だけを分析している人には、これは難しいことだろう。

原文:  Accountants Are All Torque


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