ココナッツの木陰から

公開されました: 4 10 , 2014
投稿者: ロマーナ・ヘンリー

フランス語話者として、私は最近仏領レユニオン島に派遣された。インド洋の真ん中に位置しており、モーリシャス諸島とマダカスカルにも近い。ここでコースを実施するためだった。なんという素晴らしい島だろう!同僚のジリアンはパリ出身だが、この島に過去10年間住んでいる。彼は面白い話を聞かせてくれた。

若く野心的なフランス人のセールス部門トップがマダカスカルに出張した。彼は道端でココナッツを売っているマダカスカル人に偶然であった。商品は古いサーフボードのようなものの上に並んでいる。フランス人は、なぜココナッツのみを売っているのか、と尋ねた。マダカスカル人は「なぜそれじゃいかんのかね?」と言った。

「この島には売り物になるフルーツがものすごくあるだろう」とフランス人は答えた。「マンゴー、バナナ、パイナップル、アボガド、オレンジ、レモン…いくらいでも売れるぞ。そしたら、自転車を買って、バスケットを前につけて、島中走り回って売り物を集めてくればいい」

「それをやる意味は何なんだ?木を振って、ココナッツが落ちてきて、キャッチして、売る。シンプルだろ?」と彼は答えた。

「ああ、だが、もっと売ればもっと儲かる」

「何のために?」

「大きな市場で売場が出せるだろ?」

「ああ、だが、どうして大きな市場で売場を出したいんだ?」

「そうしたら、兄弟や姉妹をやとって、ビジネスをもっともっと大きく出来る」

「何のためにそうするんだ?」

フランス人はこの頃にはイラついていたが、半パンとTシャツ、ビーチサンダル姿のマダカスカル人を見て、ゆっくりと息を吸い込んでこう言った。「考えてもみろ、1週間必死に働いて、週末が来たら、釣りに行けるんだぞ!」

マダカスカル人は答えた。「いや、釣りなら、自分は毎日行っているのだが」

何かを仮定したままで、その仮定をテストしようとしない、というのは、交渉者がよくおかす間違いだ。フランス人は、マダカスカルの人が自分と同じ物事の優先順位(ビジネスでお金を稼ぎ成功することを)を持っていると仮定していた。この間違いはそこかしこで起こっており、数知れない誤解や機会損失を引き起こしている。相手は何を求めているか、何を必要としているか、何が好きで何が嫌いか、出来ることは何で出来ないことはなにか。これらを自分が知っていると思い込むことはやめて、交渉で用いる良い質問をおこない、相手の言葉に注意深く耳を傾けて、シグナルを拾ってはどうだろうか?(「難しい」は「不可能だ」という意味ではないし、「今現在は」は「永遠に」とは違う)。こうすれば、あなたの提案が受け入れられる可能性はぐっと上がり、相手が受け入れることの出来ない提案に無駄な時間を費やすことも少なくなる。

ちなみに、私は釣りには正直それ程惹かれないが、自分の優先順位はこのマダカスカル人と同じだ!

レユニオン島にて、2014年3月30日

原典:  A Lovely Bunch of Coconuts


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