謝ることは簡単だけれど
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)は、支払いが出来なかった顧客の損失を補填すると確約した。
RBS、ナショナル・ウェストミンスター銀行とアルスター銀行の顧客は、GMTで月曜日の18:30から21:30までの間、オンラインでの支払いが出来なかった。クリスマス時期を控え、月曜日は一年で一番オンラインショッピングの売上が上がる日だ。クリスマスの買い物のためにクレジットカード決済が凄まじい勢いで使われる。この時期の決済トラブルはとんでもない大失態といえる。タクシー代が支払えずにタクシーの中に封じ込められた学生、バーやレストランで支払いができず掛になった顧客、紙おむつを購入できなかった母親などが、今朝のニュースを満たしている。
その後システムは正常に復帰したとRBSは述べている。だが思い出していただきたい。前回同じ事故が起こった3月にも、彼らは同じ言葉で説明した
とはいっても、RBSのスポークスウーマンは、今日のBBSの番組ラジオ4では記者からのプレッシャーを上手くかわしていた。
RBSのコンシュマー・リレーション・ディレクターであるスーザン・アレンは「本当に申し訳ありません」と述べた。たった一人にでも迷惑をかけてしまったことは、RBSのように高いカスタマーサービス基準を誇る銀行にとっては、非常に大きな出来事だと付け加えた。
グループのスポークスマンが続けた。「システム障害の結果お金が決済できなかった人は全員、問題に対応します」
RBSは予想される苦情に極めて冷静に対応したといえる。
苦情に真摯に耳を傾け、システム障害が一人ひとりに引き起こした問題に理解を示した。自分達の責任で引き起こした困難には驚くほどに共感し、理にかなった要求にはきちんと報いると約束した。スーザン・アレンはなぜそんなことが起こったのかについての論議に巻き込まれることを避け、非難の応報も拒んだ。彼女はシンプルに、問題は解決しており、また、力の及ぶ限りにおいて、再発防止に努めると約束した。
これほど苦情の扱いが巧みな人物に会ったことがない。
殆どの場合物事はこのように進まない。私の知人は、動かないコンピューターについて苦情を言った結果として、とある電器店の100メートル以内に近づくことを禁じる判決を受けた。
彼と電器店は押し問答となり、彼はかっとして自制を失い、警察が呼ばれた。ここには勝者は誰も居ない。
RBSににとっては、不便を被った顧客の「支払い上の問題」にどのように対応してゆくのかが今後の課題だ。謝るだけでは十分ではないかもしれない。これから、経済の地雷原を歩く必要に迫られ、交渉が必要になるかもしれない。
筆者について:
アラン・スミス
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