ビジネスを十分に失っているだろうか?

公開されました: 10 10 , 2013
投稿者: マイク・フリードマン

ヨーロッパの大手FMCG企業とのプロジェクトを始めた時、数千もある取引先の中で、毎年どれくらいの顧客を失っているのかを尋ねた。その会社は「競合に流れた会社は1%以下だ」と誇らしげに答えた。

私は「1%という数字は不十分であり、この会社はもっと取引先を失うべきだ」とあえて言った。より多くの取引先を切ったところで顧客は自分たちと取引を辞めないだろう。なぜならば…

多数の従業員を抱えた大手企業は全社的な販促キャンペーンを行うことがある。通常よりも大きなディスカウントポリシーを設定し、取引先により大きな譲歩を与える。スコットワークのトレーニングを受ける前には、販促施策としての譲歩は単なる顧客へのプレゼントであり、非生産的なものだった。営業員は、自社と競合とで、どちらがより多く譲歩するかという破滅的な競争のさなかにあった。離れてしまう取引先を1%以下に保つために、本来必要のない譲歩を、実に99%もの取引先に与えていた。

もし会社が条件をつけた取引ではなく「善意」のみを与え、ビジネスを続けてもらうことだけをお願いし、またこちらの利益を犠牲にし続けるとすると、相手は「これまでと同じビジネスを続ける」という既に存在しているコミットメント以外、何も手に入れていないことになる。さらに悪いことに、このような譲歩は先例となる。顧客は同じ「ゲーム」を続け、売り手との関係性は、例えば年次契約を重ねてゆくにうちに、良くなってゆくことなど絶対にないだろう。

たとえば無駄に好条件を与えることを止めて客先の2%が居なくなったとしよう。結果は、今年98%になった取引先を通して、利益率は昨年から大幅に改善されるだろう。スコットワーク流の交渉カルチャーを身に付ければ、意味のない譲歩をやめるにとどまらず、ビジネスの取引関係は交渉を通してより豊かなものとなり、値段だけを見て競合に攫われることもなくなるだろう。

全ての根源に横たわる課題は、自分たちのポジションに限度を設けることに備えていなかったり、あるいは備えていても、それを課する度胸がないことだ。潜在顧客や既存顧客は、競合のほうが良い条件を出していると常に匂わせてくる。毎度毎度、競合を条件で出し抜くという考えに囚われてしまいがちだが、それを実行に移したところで、本当に効果があったのかをテストすることは出来ないし、これからも永久に出来ないだろう。

もし貴社が市場で優位なポジションに居るなら、ポジションにリミットを設定し、常に見直しを行って、ほんの少しの顧客を失う程度に留め置こう。これは何度も繰り返すべきプロセスだ。ビジネスを少しだけ失い、なぜビジネスを失うに至ったかを理解することが大切だ。この試みを通して市場で意義の在る条件を設定し、リミットや決裂ポイントを常に再評価することができる。もしあなたが、ビジネスを全く失っていないか、あるいは少ししか失っていないか、もしくはリソース不足に苦しんでいるなら(スモールビジネスでは「過剰労働な状態」に居るなら)、利益の少ないビジネスをいくつか無くすようにしてみることを考えてみるべきだ。

もしあなたのビジネスが市場からのプレッシャーを受けているなら、会社としてそのビジネスをどこまで続けてゆくのか、一線を設けておくことは重要だ。これはもちろん簡単なことではない。しかし決裂ポイントを決めること無く犠牲を払ってでもビジネスを続けることは、最終的には利益を大いに損ね、自社のリソースを当初はまったく交渉しようともしてみなかった不適切な状況に押しこむことになる。そうなってしまえば、一時的な撤退、もしくは長期的な決裂のほうが「負けを勝ち取り続ける」よりもずっとマシだ。ポジションのリミットを設定すれば、自分たちがどういう情況に置かれているかが分かるようになるし、またリミットのポジションを注視しつづければマネジメントは交渉者をリモートコントロールすることができる。ダメージの後始末に割く時間も少なくなるだろう。

直感とは逆に聞こえるだろうが、しかし「自分は十分にビジネスを失っているだろうか?」と問うてみると良い。もし答えがNoなら、たぶん自身を振り返ってみるべきだろう。

原文: Are You Losing Enough Business?


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