アクティビズムと交渉

公開されました: 11 21 , 2013
投稿者: スティーブン・ホワイト

新聞記事を眺めていると時として奇妙な偶然に気がつく。9月に環境保護団体グリーンピースの活動家8人がペチョラ海の海上石油切削基地でやぐらによじ登ろうとして逮捕された。昨日サンクトペテルブルクの裁判所はこの8人の一時保釈を認め、世界の新聞はそのニュースを掲載している。同じく昨日、モスクワ・タイムズの第1面には、来るべき冬季オリンピックの会場であるソチで対テロリスト施策が実行されると報じている。この施策はオリンピックを敵対視している環境保護団体の活動家をターゲットにしており、リーダーの一人でテロリストとみられる人物を地域の空港で確保し、4時間にわたって取り調べを受けた。詳しい情報は こちらで読める。

アクティビズム(行動主義)は「説得」のバリエーションと言える。納税拒否などの市民的不服従、抵抗、デモやマスコミの注目を集めやすいイベントを通して、アクティビストたちは政治や社会、経済や環境の現状に揺さぶりをかける。フランス革命、女性解放運動や米国の公民権運動はアクティビズムのパワーを示す古典的な例だ。

交渉者はアクティビズムをツールとして使えるだろうか?答えはイエスであり、一般に想像するよりもずっと頻繁に使われている。企業はロビーストを雇って自社の利益を増やし、政治家や既成当局の期待を形成しようとする。ロビーストの仕事は直接的な交渉が始まるずっと前から始まる。たばこ産業や製薬企業のロビー活動が例だ。消費者サイドからのアクティビズムはロビーストが形を描き広げてゆく。最近の例ではオーストラリアと英国で、小売業者が農業生産性との取引条件を改善するよう世論誘導のキャンペーンが行われた。もちろんアクティビズムは双方向のプロセスであり、双方が相手を説得しようとする。一般的には、資金力を有するサイドが、理にかなった主張をするサイドよりも勝ちを収める傾向にある。

個人レベルではどうだろうか?労働争議が起こった際に労働組合がアクティビストの振る舞いを始めることがある。時として労働組合は会社や産業を相手にデモを行う。最近の例では労働組合は個人に対して行動する傾向を強めている。とある精油施設の閉鎖によって引き起こされた労働争議では、英国最大の労働組合の一つ「ユナイト」のスコットランド支部は、製油所の管理職の自宅前でピケを張った。威嚇のための行動であり、労働組合は後に「製油所の職員が受けている扱いを関わりのある全ての人々に意識していもらうために」時間とリソースを投入したと述べている。

アクティビズムとは集団行動であり、ゆえに個人レベルでは交渉戦術に取り入れるのは難しいと思うかもしれない。ところがそうとも言えない。英国ミッドランド地方のとある病院は不適切な病院運営と看護体制の不手際から、年間数百人もの患者が命を落としていたことが発覚した。病院は当初遺族との個別の話し合いを拒んでいた。遺族が手を結び抗議団体を作り、プレッシャーをかけるキャンペーンを行った結果、病院とNHS(英国国民健康サービス)は態度を変更せざるを得なくなり、ポジションを移すことになった。

原典:  Activism and Negotiation


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