オープニング・ステートメント

公開されました: 4 03 , 2017
投稿者: ロビン・コープランド

3月29日、英国首相テレサ・メイは下院においてBrexitに関するスピーチをおこなった。このスピーチは、どのような意味合いがあるのだろうか?世間はこ、スピーチを高く評価したか、分かりきった内容だと嘲るかの、どちらかだった。私は、この声明は、これからやってくる2年間にわたる困難なEU離脱交渉の、オープニング・ステートメントだったと考えている。

これまでの9ヶ月間は忘れよう。拍手喝采も遠回しの批判も、「ハードBrexit」やパートナーシップ、オープンマーケットへのアクセスも、全て忘れよう。3月29日の議会こそが、交渉の開始点だ。首相は議会の答弁席から、UKがこれから取るポジションを述べた。首相の言葉は、英国の交渉チームが目指すべき目的であり、長期的な目標の概要を描いた。

私は、英連邦が、この変化の時に際し、より強く、公正で、いっそう緊密に連携し、外向きに変化することを望みます。安全であり、繁栄し、寛容であり、世界の才能ある人々を惹きつけ、パイオニア精神あふれる人々やイノベーターにとっての本拠地となってほしい。これらの人々は世界の姿を変えてゆきます。

興味深いことに、首相は、これまでよりずっと融和的なトーンで演説した。Brexitが双方にとって関係を深化させる機会だ、と熱心に訴えた。

多くの人々がBrexitを離婚と同じようなものだと認識しています。私は、BrexitはEUからの離婚だとは考えていません。なぜなら、離婚の後、カップルは良い関係を保つことは少ないものです。議員各位は、単にEUからの脱退との見方をやめ、これをEUとの新たな関係を構築する機会と認識していただきたいと思います。それこそが、まさに私達がこれから取り組もうとしていることです。

首相はまた、UKは英連邦全体としてBrexit交渉に取り組むことを強調し、Brexit交渉の結果としてのスコットランド独立国民投票第2ラウンドはないと、あらためて強調した。

我々は英連邦の連帯を強く保つことが重要です。我々は多くのものによって結びついています。英連邦の未来を政治のゲームにする姿は見たくありません。

場の盛り上げ役として両議会の主要メンバーが登場した。首相が演説を行っている間、財務大臣フィリップ・ハモンドが首相のすぐ後ろに座っていた。ハモンド氏は名首相の政治上の盟友であり、政治資金調達では大きな役割を果たしてきた。外務大臣ボリス・ジョンソンは最前列に座っていた。議会は満席だった。首相が、自由で民主的な社会について話した時、自由民主党の議員から高笑いが起き、注目を浴びることになった。フェアに申し上げて、彼らはこのところ高笑いをあげて注目を集めるチャンスがあまり無かったわけだが、この日は目的を遂げることが出来たといえる。

交渉についての教訓があるかって?私は、あると思う。

  • オープニング・ステートメントを注意深く計画し、また事前に練習しておく。事前に考えた言葉を言うための唯一無二の機会であり、良い印象を与えることが出来る。
  • ミーティングのトーンを設定することが出来る
  • おおまかな目標を描いてみせることが出来る
  • 交渉における準拠原則や注意すべき点を提示し設定することが出来る
  • 交渉できること、出来ないことを伝えることが出来る
  • 議題を設定することが出来る

議会の皆さんには、十分に練られ、提示されたオープニング・ステートメントの価値を考えてみることをお薦めする...

 

原文: Opening Statement


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